今まで何度も書いたが、コーラルが消滅して何年になるのだろう。今でも、全く妥協が無い究極の10cmフルレンジ・スピーカーユニット、伝説のコーラル4A-70をキーワードに僕のページに来る人が後を絶たない。このシステムを組んだのは、もう25年以上前だが、10cmというハンデを感じさせない低音と、生々しい音質に、今でも他のスピーカーに替える気がしない。
改めて書くが、アルミダイキャスト・フレーム、丈夫な特殊紙、大型アルニコ・マグネット、ジュラルミン・キャップ、コルゲーション・エッジなど、10cmフルレンジとしては、贅沢すぎる程の仕様。しかし、価格はボッタクリではない。こんな商売をしていたから潰れたのだと思うが、オーディオのロマンを感じさせる歴史的な名ユニットであった。
現在は、スピーカーユニットとしては、事実上フォステクス以外は入手できなくなったが、オーディオブームだった頃は、コーラルやテクニクス(松下)など、各社から個性豊かなユニットが発売されていた。僕は、フォステクスの紙臭い音は、どうしても好きになれない。スピーカーユニットに関しては、現在は間違いなく「冬」の時代である。また、システムを組みたくなるような、魅力的なユニットが、発売される事を祈りたい。
コーラル4A-70は素晴らしい。これからも、何十年も、本当に壊れるまで、このシステムを愛用したい。