オーストリアのウィーンという街は、ヨーロッパの街としては治安も良く、音楽をはじめとする文化やハプスブルク家の歴史的遺産が残る国際文化における世界的中心地として有名だが、実際に行ってみると、街のあちこちに戦争の傷跡が残っている事がわかる。
それは、街のあちこちに点在する、コンクリートで出来た巨大で丸い不気味な建造物、というより「物体」が残っているのである。これが何かというと、ナチス・ドイツが建造した砲台の跡なのである。今となっては何の役にもたたない建造物だが、とにかく、あまりにも頑丈に造られているため、取り壊す事も出来ず、現在でも不気味な姿を晒している。
中には、この建造物を、「水族館」に改造して利用している例も有るようだが、「平和の象徴」のような街であるウィーンにも、戦争の痛々しい傷跡が残っている。ウィーンに行ったら、観光地巡りもいいが、戦争について、改めて考えてみて欲しいものである。