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Channel: マエストロ時津英裕のブログ
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オーダーメイド・ジーンズ(香川県の「D26屋」)

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ジーンズを愛する者として、これまで何度もジーンズについて記事を書いたが、ここでもう一度、詳しく書きたい。私の「こだわり」が伝わればいいのだが...

僕は、ジーンズには特別なこだわりを持っており、まず、スタイルはストレート。ブーツカットやベルボトムやスリムは邪道である。フロントはジッパーではなくボタンフライでなければ嫌である(ジッパーの方が便利そうだが、ボタンに慣れると、こちらの方がずっといいし、ジッパーのように、知らない間に開いていたり、壊れる心配も無い)。

こうなると、市販品でお勧めできるのは、リーバイスの501以外は無い。これは、ジーンズの元祖であり、150年以上の歴史を持つ逸品で、フィット感は緩すぎずきつすぎず、フロントはもちろんボタンフライで、一時期品質が落ちた時期が無いではないが、それも遠い昔。現在は、市販品としては、最高の品質を誇っている。「メイド イン USAの、リーバイス501を穿かずして、ジーンズを語るなかれ」と言いたい。

なお、501は歴史が古いので、ヴィンテージのデッドストック品が、とんでもない値段で売られている事が有るが、このようなヴィンテージ品は、生地や糸が弱かった時代に作られたため、現在よりもルーズフィットに作られており、これを好む人もいるが、僕は、やはりジーンズの醍醐味はジャストフィットで得られると思っており、赤耳や隠しリベットなどのディテールにこだわる人には不満かもしれないが、現在では、レギュラー501を、僕としてはお勧めしたい。僕には、とてもヴィンテージを買える経済力は無いが、確か2000年頃だったか、1950年代の501XXを完璧に再現したレプリカが発売された事が有り、買ったのだが、赤耳、隠しリベット、ビッグEなど、こだわりぬいた完璧な仕上がりで、このレプリカも、デッドストック品が、現在高価に販売されているようだが、やはりルーズフィットであり、現在では滅多に穿く事は無い。

ストーン・ウォッシュのように、最初から穿き古したようなテイストにしているジーンズも邪道である。ノリが付いた出来立てのジーンズを買い、持って帰って二回ほど水洗い(汚れていないので洗剤は不要、乾燥機の使用は、もちろん厳禁)して縮ませ、再びショップに持って行ってすそ上げしてもらった事も有るが、そこまでこだわらなくても、せめてワンウォッシュのものを買い、長い時間をかけて色落ちを楽しむのも、ジーンズを穿く愉しみの一つである。なお、ワンウォッシュのジーンズでも、買ったら一度は水洗いする事。そうする事で、すそ上げしたすそにシワが出来て、縞模様の味わい深い色落ちになる。最初からストーン・ウォッシュなどで色落ちさせたジーンズには、この楽しみは無い。

なお、僕は、市販のジーンズは、デパートでしか買わない。かつて、渋谷の某有名店で買った時など、若いヘタクソな係がすそ上げを行っており、あまりにもお粗末な仕上がりで、クレームを言って新品交換してもらった事が有った。それでも酷い仕上がりに変わりは無く、代金丸損である。デパートであれば、その道のプロがすそ上げを行っており、糸の色合わせなど、プロにしか出来ない「こだわり」であり、安心して穿くことができる。場合によっては数日待たされる事も有るが、それでも大手デパートで買われる事を、お勧めしたい。

また、サイドシームは「割り縫い」のものを選ぶ事。リーバイス501は、もちろん割り縫いである。洗濯は、とにかく毎日穿いて、派手に汚れたり、汗でべたついたり、汗臭くならない限り、月に一度が基本。水洗いがベストという説も有るが、これはいくらなんでも不潔で、裏返して少な目の洗剤で洗い、柔軟剤は必須。乾燥機の使用は厳禁。洗濯後に割り縫いが閉じていたら、必ず開いて干す事。干し方は、裏返しのまま逆さにつって干すのがベストだが、とにかく乾燥機さえ使わなければ、どんな干し方でも十分だろう。こうして穿き続けていると、割り縫いが開いたままになり、サイドシームの両側に、まだら模様の味わい深い色落ち(アタリ)が出る。もちろん、汚れずに汗臭くもならなければ、長く穿けば穿く程、洗った後に、擦れた部分だけが色落ちし、味わい深い色落ちになる。これが、僕のジーンズに対する「こだわり」である。

しかし、究極のフィット感を求めようとすると、市販品では限界が有る。こうなると、もうオーダーメイドしか無いが、これがショップによって玉石混交で、採寸方法にもコツが有り、なかなか難しい。大きく分けて、イージーオーダーとフルオーダーが有り、フルオーダーの方が高価だが、究極を目指すなら、フルオーダーしか無い。また、安い店の中には、イージーオーダーでありながら、フルオーダーと称している悪質な店も有るので、注意が必要である。

D26屋」と書いて、「デニム屋」と読む。値段は安くはないが、フルオーダーで、職人気質を感じさせる見事なジーンズは、市販品や、イージーオーダーの店では、決して手にすることが出来ない。

しかし、オーダーメイドと言っても、採寸の方法にはコツが有り、また、ジーンズの場合、縮みも考慮する必要が有り、なかなか難しい(ちなみに、D26屋の赤耳ブルーデニムは、二回洗うと、股下が約2cm縮む。また、僕のヒップの実測値は104cmだったが、106cmで注文し、ジャストフィットになった。しかし、最近デニムをモデルチェンジしたらしく、新しいデニムがどれくらい縮むかはわからない。店主に詳しく話を聞かれる事を、お勧めする)。採寸の方法にも、大きく分けて2種類あり、ヌードサイズとジーンズを穿いて測る方法が有る。ヌードサイズの方がジャストフィットのジーンズが出来る可能性が高いが、これは非常に難しいので、一般の方は、手持ちのジーンズを参考にして採寸される事をお勧めする。注文される場合は、店主と、縮みを含めた寸法について、十分に相談したうえで採寸して、発注される事をお勧めする。

それで、D26屋に注文し、待つ事一か月。ようやく理想に近いフィット感を感じるジーンズが出来上がってきた。赤耳デニムの質が最高で、細部のディテールまで完璧な仕事ぶりで、店主の仕事に対する誇りを感じると共に、高価な値付けにも納得がいく。このジーンズは、入念に手入れをして味わい深く色落ちさせ、破れるまで穿き続けるつもりである。

オーダーメイド・ジーンズの店には、福岡のJOM JEANSのような、安い値段で、デタラメで品質最低なジーンズを売り付け、クレームを言うと、ヤクザまがいの脅しの電話をかけてくる最低の店も有るので(詳しくは、こちらをお読みください)、少々高価でも、良心的な店を選ばれる事を、お勧めしたい。

D26屋のジーンズは、安くはないが、職人気質を感じさせる見事な出来栄えで、仕事に魂がこもっている。しかし、採寸にはコツが有るので、店の主人と十分に話し合って(非常に良心的に応じてくれる)、万全の採寸を行って注文される事を、お勧めしたい。

さて、理想のジーンズが手に入ったら、スタイリッシュに穿きこなしたい。その為には下着から気を使う必要が有る。僕はトランクスが嫌いで、かといって普通のブリーフやビキニだと、ヒップにブリーフ・ラインが出て、ヒップラインが綺麗に決まらないばかりか。穿き続けていると、ジーンズのヒップがブリーフの形に色落ちして、みっともない事甚だしい。これでは、どんなに優れたジーンズでも台無しである。そうなると、ジーンズに最適な下着は、おのずと明らかになるであろう。インナーからアウターまでこだわって、最高のジーンズライフを楽しみたいものである。


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