もう大昔で、名前を出すまでも無いが、付き合っていた女性がいた。彼女は岩手県宮古市の出身であった。
彼女の実家は、いわゆる「よろずや」を経営しておられるらしく、たまたま仕事で宮古市に行く事になり、彼女の実家の前に公衆電話が有るので、そこから電話をするという約束をした(当時は携帯電話は普及していなかった)。
それで、彼女に教えてもらった店にたどり着き、電話をしたのだが、その家は海に近く、古い木造家屋で、もし、あのままだと、あんな津波が来たら、ひとたまりもないだろう。
もう彼女に連絡するすべも無い。下手に連絡すると、かえって彼女を傷つける可能性も有る。何とも複雑な気持ちだが、本当に心配である。