マランツ#7のパーツで、劣化や寿命が最も心配されるのは、3点。セレン整流器、電解コンデンサ、それに、パイロットランプである(アーレンの抵抗は、ソリッド抵抗ながら信頼性が高く、まず大丈夫だろう。バンブルビーのコンデンサも心配だが、これはオリジナル・マランツ#7の音の骨子と思われるパーツだけに、ひたすら不良が起こらない事を祈るのみだが、不良が起きたらASCのフィルムコンに交換せざるを得ない。音が激変する可能性が有り、心配である)。セレンが駄目になったら、シリコンダイオード(ショットキーバリア)に交換するつもり(音は変わるだろうが仕方がない。セレンは信頼性が低いので、不良になったら再び使う気がしない)。電解コンデンサ(特にブロックコンデンサ)は、予備が1個ずつ有る。問題はパイロットランプであった。
この形状のランプは、昔は秋葉原で簡単に入手できたが、今は見かけない。最近のアンプのパイロットランプはLEDが多く、切れる心配は無い(LEDの寿命よりアンプの寿命の方が短いだろう)。先日、マランツ#7のパイロットランプが切れて、虎の子の予備に交換し、これが切れたらどうしようかと思っていたのだが、ヤフオクで、マランツ#7のパイロットランプを売りに出している人がいた。
一個1980円。何ともふっかけられたものだが、これしか無いから仕方がない。落札し、「複数お持ちですか?」と質問したところ、「有る」との事で、5個注文、小さなランプ5個に送料込みで1万円強。高い買い物になったが、これで僕のマランツ#7の不安要素が一つ消えた。
僕のマランツ#7は、店頭展示品で50年以上ほとんど通電されていなかった新古品として入手し、実際、セレンなども全く劣化しておらず、ボリューム(クラロスタット)にガリも無く、音質も素晴らしかっただけに、パイロットランプが切れたのは予想外だったが、50年以上昔の電球だから、品質も悪かったのだろう。セレン整流器は別としても、ヴィンテージ・アンプ最大の弱点は、電解コンデンサとランプ類であり、電解コンデンサは、小型のものはOSコンデンサに交換する事で解決するが(音質は変わるだろう)、ブロックコンデンサがパンクしたら困る。ランプは、今はLED時代であり、これも、ヴィンテージ・アンプならではの困った問題である。みんなどうやって解決しているのだろう。
とにかく、オリジナルのマランツ#7の音は素晴らしい。とても50年以上昔に作られたアンプとは思えない。半導体アンプでは絶対に得られない音であり、「史上最高のプリアンプ」という賛辞は眉唾ではない。これからも愛着を持って使い続けたい。