僕は戦後生まれであり、あの愚かな戦争の実態を直接知っているわけではない。しかし、僕の父は、完璧な戦前主義者で、右寄りの雑誌ばかり読み、「神風特攻隊」の「栄光?」や、「あの戦争はアジアを解放するための戦争であり、日本は悪くない」、「従軍慰安婦も南京大虐殺も作り話」などと、事あるごとに言っていた。
子供は親の考えを信じるという本能が有るから、僕もそうだと思っていたが、僕が成長するにつれ、「どうも変だぞ」と思い始めた。今では、あの戦争は、日本が仕掛けた侵略戦争だと思っている。これについては、何度も父親と議論になった。しかし、母親の自殺がきっかけで、父親の説得に成功し、父親は考えを改めた。しかし、これは、父親にとって、天地がひっくり返るほどのショックだったらしく、父親は自分を「未熟な老兵」という遺書を残して自殺してしまった。
今思うのは、父親も、「戦争の犠牲者」だったという事である。あの戦争は、様々な犠牲者を生んだ。知覧の「神風特攻隊記念館」に行って、特攻で散った戦士たちの遺書等を読むと、非常に深い考えに基づいて、日本のために命を絶つ決意が書かれていて、読んでいて涙が出た。もうあんな戦争は絶対に起こしてはならない。
しかし、世界では、今でも「自爆テロ」などのニュースが後を絶たない。「自爆」するテロリスト達は、本当に、これで天国に行けると思っているのだろうか。これは完全な「洗脳」である。日本の「神風」も同じ。世界に平和が訪れる事を願うと共に、日本も、過去の過ちを真摯に考え、平和な世界が来ることを、心から祈りたい。