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Channel: マエストロ時津英裕のブログ
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私的遺書(時津英裕)

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今年50歳になったが、本当に波乱の人生であった。これについては、過去ログをご覧ください。常人が経験しないショッキングな経験に何度も苛まれた。1999年に母親が焼身自殺、2002年に父親が首吊り自殺。もうこの世にはいない。両親を自殺で失い、重篤なPTSDに苛まれたが、現在は、かなり回復し、強い薬も止める事が出来ている。僕は佐賀県唐津市の生まれだが、あんな忌まわしい故郷には帰りたくない。しかし、経済力が底をついたら、自分で自分の始末をつけるつもりである。

僕の死後について、個人的希望を書いておく。とにかく、時津家の墓には入りたくない。誰でもいいから、僕が現在信仰している宗教で、ささやかな葬儀を行ってもらい、あとは永代供養として葬って欲しい。

僕は、日本で初めてコルンゴルトの素晴らしさを発見し、最高傑作であるヴァイオリン協奏曲を日本初演し、「名演」として評価されているが、これだけの実績でも生きていく事は出来ないのか。「新人演奏会」では不足なのか。とにかく、この日本初演に至るまで、血のにじむような苦労をした事は事実である。日本の世の中は、コルンゴルトの凄さがわからない馬鹿ばかりなのか。僕のコルンゴルトを過小評価する連中は、日本の楽壇で抹殺されるべき凡人ばかりである。凡人ばかりの日本のヴァイオリニストの範疇で、僕を判断されるのは、極めて心外である。何の効果も無いかもしれないが、僕が、少々うまく弾ける日本の若い凡人たちとは格が違う事だけは、ここで明記しておく。とにかく、僕が命をかけて行った、20世紀が生んだヴァイオリン協奏曲の傑作を、日本で誰よりも早く発見し、日本初演まで至った事は、歴史的業績であり、これにケチをつける奴は、絶対に許さない。

とにかく、誰がどう評価しようと、これだけは書いておく。
「コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は天下の名曲である」。

「50歳では年齢制限で無理」と言った友達がいたが、僕が残した実績は、その程度のものなのか。世も末である。友達からも見放され、ブログに書いた「人でなし教師」による過去の苦労話も否定され、孤独な最期を遂げる事になっても、僕の実績が消える事は無い。本当に、日陰のパイオニアという立場だが、もし、私の演奏に、心動かされる方がいれば、私の力になって欲しい。とにかく、今のままだと、「死」しか無い。覚悟はしているが、僕の能力を評価してくれる人が現れる事を願っている。

出来るものなら、自分が今まで教わったヴァイオリン奏法の「秘伝」を、誰でもいいから伝えたい。誰も僕に目を向けてくれないのか。これが「日本」なのか。生まれる国を間違えた。本当に、生きている間に、また何か出来ればと思っている。

今の正直な気持ちを書くと、とにかく「寂しい」。ヴァイオリン一筋、気が付いたら50歳になっていたが、今でも、やはり伴侶は欲しい。既に結婚している人によると、結婚は結婚で大変らしいが、これ以上、「孤独」な生活を続けていれば、気が狂って一線を越えてしまうかもしれない。


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