「南京大虐殺は無かったのではないか」という河村市長の発言が原因らしいが、戦前生まれで疎開していただけで実戦を経験しておらず、洗脳された思考だけが残って洗脳から抜けられない人は仕方がないとしても、河村市長が戦前生まれかどうかは知らないが、いくらなんでも不用意な発言であった。
僕の父は、戦前生まれで戦前の洗脳教育を受け、戦時中は疎開しており、実戦の経験は無い。終戦後も洗脳から抜けられず、「大東亜戦争はアジア解放のための戦争」、「南京大虐殺は無かった」、「従軍慰安婦は作り話」、「神風特攻隊で死んだ人は英雄である」と言っていた。母親の自殺を機に父親を説得し、一か月かけて全てを論破し、父親は考えを改めたのだが、これが原因で父親はうつ病になり、首吊り自殺してしまった。神に賭けて信じてきた説が嘘だったという事は、父親にとって、想像を絶するショックだったと思われる。それだけ、戦前教育の洗脳は強烈なものだったという事である。
父親の説を論破する決め手になったのは、母方の親戚で、実戦を経験した人たちの証言であった。父親を論破するために情報収集したのだが、南京で虐殺に加担した人もいれば、「本当にいいのか」と思いつつ「慰安」を経験した人もいた。これは事実だから、覆しようがない。この人たちは、戦争によって重い十字架を背負い、自分の過去を悔いていた。
僕の父と同世代でも、洗脳から解けた人もいる。その人の話によると、「神風特攻隊などばかばかしい。死んだ人は犬死に」。ただ、戦陣に散った命への供養の気持ちは勿論持っている。完全に心の整理が付き、心から平和を願っておられた。
史上最低の総理大臣、安倍晋三は、戦後生まれにもかかわらず、復古的な保守的右寄りの発言を繰り返している救いようのない馬鹿である。最近テレビに出る事が増えてきたようで、暗澹たる気持ちになる。戦争犯罪の清算は、もはや少なくなったが、実際に戦争を知っている人たちに、解決して欲しい。戦争を全然知らない平和主義者の僕たちまで、近隣諸国の怨念を受けるのは筋違いである。韓国や中国の人たちの苦しみを思うと、何ともやりきれない気持ちになる。ましてや戦後生まれでありながら、戦前の日本を肯定するアホどもには呆れてしまう。