秋葉原ほど変貌するのが目まぐるしく、これほど日本の特異な文化を象徴する街は無いであろう。昔は電気の街として電気屋やパーツ屋、ジャンク屋ばかりであったが、今はオタク文化の聖地と化しており、秋葉原を第二の故郷と思っていた僕としても、最近は付いていけないものを感じている。また、免税店に殺到する外国人観光客も多く、昔とは、街の雰囲気が全く変わってしまった。
今も秋葉原の外れのパソコンパーツショップが集中している地域は盛況だが、昔はオウム真理教が運営するいかがわしい店(マハーポーシャ、トライサル、ザ・グレイスフル、PCバンク等々、他にも有ったっけ。僕も、買う気は全く無いが、社会見聞のために店に入った事が有るが、あまりの異様な雰囲気と、スッピンで目が死んでいる店員の顔に耐えられず、すぐに店を出てしまった)や、路上でソフトウエアの海賊版を販売している人がいるなど、法律スレスレ(違反も有り)の、これはきわどい文化であった。オウム真理教の店は、人件費ゼロ(店で働く事は「修行」であり、教団への「帰依」とされていた)、節操の無いビラ配りや呼び込みなどで秋葉原を汚し(何を聴いているのか知らないが、耳にイヤホンを付けて、うつろな目つきでビラを配っている信者の姿は無気味であった)、とにかく安いので、目先の事しか興味が無い低レベルな客で、それなりに繁盛していたが、現在は全て消滅した。その後も懲りもせず、巧妙にオウムである事を隠したソフトハウスを運営するなど、こんな節操が無く厚かましい宗教団体も無いと思うが、何とかならないものか。地下鉄サリン事件を起こした時点で全てを抹殺するべきだったと思うが、麻原彰晃の死刑が確定しても、洗脳された信者は今でも教団を信じており、マインドコントロールの恐ろしさを露呈している。
かつては電気一色だった秋葉原だが、現在は、コスプレ、ロリコン、ガレキ、フィギュア、マンガ、メイド喫茶、AKB48など、オタク文化が集結する街と化しており、これらに興味が無い僕としては、一抹の寂しさを感じる。また、スタンガンや盗聴器、超小型ビデオカメラを売る店も有るなど、何のために使うのかわからないが、繁盛しているようである。時代の変化の典型的な例として、歴史あるラジオ会館の建て替えが挙げられる。秋葉原に行ったら、まず「ラジ館」に行く事が習慣だった僕にとって、こんなに寂しい事は無い。秋葉原は、これからも、オタク文化を映す鏡として、時代を写す特異な日本文化が象徴される街として、変貌していくだろう。